外科専門医研修について
診療科目
消化管(上部・下部)、肝臓・胆道・膵臓、肝移植、脾臓・門脈圧亢進症、呼吸器、血管、乳腺、一般外科
取得可能な認定医・専門医
全員が取得できるもの:外科専門医、医学博士
外科専門医認定試験の受験資格は、修練開始後満5年以上で、手術手技を350例以上(術者として120例以上)経験するのが条件です。また、消化管および腹部内臓(50例)、乳腺(10例)、呼吸器(10例)、心臓・大血管(10例)、末梢血管(10例)、頭頚部・体表・内分泌外科(10例)、小児外科(10例)、各臓器の外傷(10例)、鏡視下手術(10例)と外科の各分野の一定症例数の経験が必要です。第二外科および関連施設では、消化器外科のみならず、呼吸器・血管外科・救急診療などの各分野の症例数も豊富であり、修練中にこれら各分野の症例をもれなく経験できます。
希望者が取得できるもの
消化器外科専門医、呼吸器外科専門医、心臓血管外科専門医、乳腺専門医、消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医、肝臓学会専門医、癌治療基盤専門医(抗癌剤治療)、救急専門医など。
消化器、呼吸器、心臓・血管、小児の専門医取得のためには、下記の条件が必要です。第二外科および関連施設には、各分野の症例数が豊富な認定施設が多数あり、上記各分野の専門医取得が可能です。専門医取得後、一定の年限と業績(学会発表・論文)があれば指導医になることができます。
- (1) 修練期間は、更に2年以上(卒後7年)必要
- (2)外科専門医または予備試験合格者であること
- (3)認定施設での修練が3~5年必要
- (4)一定の業績(論文、学会発表、学会出席)
研修システム
2年間の初期研修後、外科専門医制度のプログラムでの研修を行います。専門医機構での専攻医登録(各年で登録時期は異なる)を行い、外科研修を行います。専門医プログラムでは多くの経験(手術や手技)を積むために、いくつかの施設で研修を行います(図2)。外科専門医を取得後は、サブスペシャリティー専門医(消化器外科、呼吸器外科、心臓血管外科、乳腺外科)を取得希望者は、関連施設や大学で専門的な知識や技術の修練を行います(図1、図3)。
先輩メッセージ
- 藤川 乱麻 [ 医師5年目(専攻医3年目) ]
- 私は、初期研修は福岡市民病院、外科1年目は大分医療センター、外科2年目は広島赤十字・原爆病院で勤務しました。第二外科では、日本各地の関連病院で多くの先輩方の様々な治療法を学び、経験することができます。外科専門医に必要な手術経験のみではなく、外科の多様な治療戦略を経験できたと感じました。
- 于 明洋 [ 医師7年目(専攻医3年目) ]
- 後期研修1年目は別府医療センターで研修し、消化管外科・血管外科・呼吸器外科・乳腺外科をまわって、勉強させていただきました。2年目は済生会福岡総合病院で肝胆膵外科を経験して、120例ほど執刀しました。特に胆嚢摘出術を多く経験しました。外科医のスタートとして、徐々に難易度の高い手術を経験しており、早く一人前の外科医になれるように、精一杯頑張りたいと思います。
- 舟越 弘樹 [ 医師5年目(専攻医3年目) ]
- 後期研修1年目を九州中央病院で、2年目を松山赤十字病院で研修しました。胆石症やヘルニアなどの良性疾患や、急性虫垂炎や消化管穿孔などの緊急手術はもちろんのこと、大腸癌や肺癌、乳癌などの悪性疾患の執刀も多数経験させていただきました。どのグループ、どの先輩方も、一例一例丁寧に指導していただきました。
幅広い研修を行うことができ、外科医としての第一歩を踏み出すことができました。
- 中西 充 [ 医師5年目(専攻医3年目) ]
- 後期研修の2年間を関連病院である松山赤十字病院で研修させていただきました。
外科専門医の取得には一定数の術者を経験する必要があるのですが、1年目にして3年間で必要な規定数を超える執刀経験をさせていただきました。2年目には悪性疾患や下肢バイパス術等の難易度が高い症例も、上級医の監督の元執刀させていただきました。
また分野も偏る事なく、消化器はもちろん呼吸器、乳腺、大血管等幅広い領域の症例を経験させていただきました。執刀数、執刀難度、症例の幅広さ、全てにおいて有意義な研修を行う事が出来ました。
- 高階 悠 [ 医師5年目(専攻医3年目) ]
- 後期研修1年目は松山赤十字病院で研修し、手術を中心に消化器・肺・血管など幅広い分野の症例を400例以上経験させて頂きました。執刀症例に関してはヘルニア・胆摘など良性疾患から、後半は大腸癌の執刀も10例以上経験することができました。2年目は九州中央病院で研修し、手術の症例数はもちろん、初診から術後外来フォローまでの流れ、そのマネジメントについて学ぶことができました。いずれも上級医の先生方の大変手厚いフォローがあってのことであったと、実感しています。
- 黒瀬 友哉 [ 医師4年目(専攻医2年目) ]
- 後期研修医1年目では前半では大分医療センター、後半では大分県立病院で研修させて頂きました。1年間で胆石症、ヘルニアなどの良性疾患、虫垂炎、消化管穿孔などの緊急疾患、胃癌、大腸癌などの悪性疾患を計160~170例ほど執刀させて頂きました。後期研修医1年目の1年間だけで、外科専門医に必要な術者症例数を満たすことができました。上級医の先生方に基礎から熱心に指導して頂き、非常に充実した後期研修を過ごしています。